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国指定重要文化財 善導寺 大庫裏他六棟 保存修理工事



H17.10-11



●大庫裏
 解体作業ばかり続いてきた今回の「大庫裏他六棟」の保存修理の中で、一番最初に復原される建物がこの大庫裏です。11月初めに安全祈願式(地鎮式)をして、基礎工事にとりかかりました。
  コンクリートの性質をチェックして、大庫裏一面に基礎となるコンクリートを流し込みました。
 最終的には、この上に土がきてコンクリートは見えなくなるそうです。
 江戸時代にコンクリートは無かったはずですが、耐震などの理由で、文化財の工事は近代的な建築と昔の建築が入り混じっているのです。そういうところまで計算しながら、設計をし、作業を進めてくれています。
(ここ最近、設計・施工・チェック機関の問題がとりだたされているので、間違いのない工事をして頂きたいと思います。)
(H17.11.21記)
大庫裏復原開始の祈願式 コンクリートのチェック
コンクリート流し込み 1段階目 コンクリート流し込み作業


●本堂
 正面南側の障子や雨戸が、修理から戻ってきました。もうすぐ一番大きな桟唐戸なども戻ってきます。
内部の方は、全て足場が取れて、だんだんと元の本堂に戻りつつあります。写真の火燈窓の漆塗りは見事です。
(H17.11.21記)
本堂 雨戸の取り付け
火燈窓の漆塗り 完成形


●経蔵
 11月から経蔵の修理にも着手しました。経蔵は今年2月に県の文化財になったばかりですが、台風や地震で大きな被害をうけたので、屋根や壁を修理します。
 内部の棚に保存してあった、経本を移動して、足場を組み、屋根をおろしています。工事は来年3月までかかる予定です。
(H17.11.21記)
いよいよ工事開始 内部   経典を搬出
屋根瓦を降ろしました


●役寮・対面所 東面張出し部分
 役寮・対面所の東側には廊下をはさんでいくつかの部屋や押入れがあります。その部分を解体し調査を進めています。改築が多くなされているようで、調査も大変です。
 この部分は、その他の建物と作られた時期が少し違うようなので、この調査が終わっても、復原されることはないようです。少し寂しいですね・・・。
(H17.11.21記)
他の建物と同じように、丁寧にチェックをしながら解体していきます
東 面 内部の様子
東面張出し 全景


●本堂・大庫裏発掘現場
 10月に入り、本堂では正面の木階の取り付け、縁周りの調整と高欄の取り付けが始まった。
また、本堂内部では、釘隠し飾り金具の洗浄が終わった。
 11月に入り、七五三法要で賑わう善導寺。参拝者に迷惑をかけないように、気をつかいながらの作業が続きます。
 大庫裏では、4ヶ月間発掘調査をした地面に、砂を敷き、その上から土を入れ整地しています。
今後、数百年はこの地面に出会うことはないでしょう・・・。そう思うと、この調査で800年前(鎌倉時代)、善導寺の開山である聖光上人が活動していた時代の土地に立つことができたということは、この上ない幸せなことだと感じます。
 11月上旬に安全祈願式、起工式を執り行い、いよいよ基礎工事に入ります。
大庫裏は平成19年頃には庫裏六棟の中でまず最初に蘇ります。
250年前(江戸時代)の完全な姿に復原され、私たちに感動をあたえてくれるでしょう!
(H17.11.1記)
縁周りの調整
釘隠し
釘隠しの洗浄・丁寧にゴシゴシやってます
Before After
大庫裏発掘現場  砂を入れて、境目がわかるように
発掘の跡形もない更地にしていきます 明治時代のコンクリート


●本堂(火燈窓・木階)・大庫裏発掘調査・熊本視察
 9月後半から10月前半までの修築状況。
 (H17.10.10記)



●本堂西側・火燈窓(かとうまど)の補修


調査によりこの窓は、漆塗り仕上げの中でもかなり上等の塗り方をしていることがわかり、漆職人さんが来て、何10工程もかけて塗り上げていました。
 漆塗りはほこりが無く湿気の多いところがいいらしく、本堂での作業では囲いを作って対応していました。
漆がきちんと塗れるように、下地を丁寧に補修しています
綺麗に仕上がっていると思ったら、まだまだ先の工程があるようでした
仕上がりました。重厚でキラキラ光っています

●本堂南側正面・木階の補修
 この癖のある大きな階段を、何度も何度も取り付けては様子をみて、外しては調整し、精度の高い修理をしてくれています。




●本堂床下補強
 老朽化の激しい床を守るために、支柱を立てて補強してくれました

これからは柱についている釘隠しの洗浄がはじまります


●大庫裏・発掘調査
 8月27日に見学会を行い、それから約1ヶ月、更に掘り下げました。
 井戸の跡、かまどの跡、排水溝の跡、掘立柱の跡などの歴史が数多く見つけられました。
 鎌倉時代の頃の地面も出てきたようです。約800年前、聖光上人が善導寺を開かれた頃の地面ということになります。聖光上人と同じ土の上に立てたことが何よりも幸せでした。
 発掘作業は10月上旬に終了し、現在はその調査から、年代や当時の状況についてまとめられています。調査結果が非常に楽しみです。
大庫裏全体 9月 掘立柱の跡
石のかけら1つ1つまできちんと図面にしていきます
瓦で作った溝 井戸に続く溝の跡
掘立柱の跡(鎌倉時代頃) 大かまど
電子機械での測量もしています 井戸の跡もたくさん
10月上旬 作業最終日


●熊本の作業所視察
 昨年と今年6月に続き今回で3回目の熊本の作業所視察。
 現在は、本堂正面の桟唐戸を全部解体してて、修理する部分やその修理方法などを打ち合わせていました。
 繕い材などの選択も大変なようです。


●熊本城 本丸御殿 修復現場見学
 作業所の見学の後には必ずお城を見に行きます。巨大な部材、重厚な建物は何回見ても圧倒される。
 どんどん組みあがってくる御殿を見ていると、目の前に本物がある素晴らしさに感動する。善導寺も組み立てが始まったら、同じ感動をうけるのだろうか?楽しみです。




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