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● 大庫裏 野地板・杉皮・瓦葺き
大庫裏では屋根面の作業が始まりました。 野地板が二重に葺かれ、その上に杉皮が綺麗にはられました。 奈良県から来ていただいている瓦屋さんは、瓦を屋根のどこに乗せるかを決める為に、瓦の寸法を1枚1枚測っていました。 こういう気の遠くなる作業も、出来上がりの見栄えを左右する屋根面だからこそ、気を抜けないということなのです。 頭が下がります。
HPをご覧の皆さんも、機会があれば「職人さん達の業」を見に来て下さい。 この業は、何十年、何百年先の修理の時までは見れないのですから。 この技術を見れば、素人の私達でも、「大切にしっかりと守らなければ!」と感じます。
ちなみに、10月21日に久留米市文化財保護課の主催で、「善導寺を見に行こう!」という見学会が開催されます。 工事中の文化財の公開と案内説明、併せて、宝物館での仏像等の公開もされます。 詳しくはこちら。
一方、第二期仮設解体工事も始まりました。 善導寺の中央部に建つ、広間、書院(来迎殿)、内仏などの解体にとりかかるにあたり、大楠会館、本堂、新庫裏を結ぶ安全通路を確保しなければなりません。 現在その作業が進められています。 この通路が完成したら、およそ5年もの長きにわたりこの状況が続きます。
(H18.9.22記)
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瓦の採寸・選別 |
野地板の上に杉皮葺き |
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重厚な感じになってきました |
瓦の荷揚げが行われています |
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第二期工事・南側 仮設通路設置のため、
勅使門の塀を一部解体 |
仮設通路が組まれていきます |
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● 北野町 専称寺 解体開始
再移築工事の始まった北野町にある専称寺では、建具や床板が解体され、移築部分が見渡せるようになりました。
思った以上に広く、善導寺で復原される際には、更に広くなると思うと、かなり大規模な移築だったと想像できます。
(H18.9.22記)
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建具が解体されました |
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床板も解体
この写真の範囲がそのまま善導寺へ移築されます |
上段の間 |
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● 瓦検査 (奈良へ) 9月12日〜13日
大庫裏の瓦をはじめ、今回の文化財工事で使用する瓦は、奈良県奈良市の橋本瓦葺工業さんが作ってくれています。 今回は生型検査ということで、文化財関係者と共に奈良入りしました。
工場に入ると3名の職人さんが、奈良や京都の文化財建物に使う瓦を1枚1枚手作りしていました。 善導寺の大庫裏の瓦は約1万枚あるそうですが、こんなふうに手作りしてくれたんだと感激しました。
別の部屋では、別の職人さんが、大庫裏の玄関屋根に取り付けられる鬼瓦を見せてくれました。 鬼瓦の中央に善導寺の紋(昔の花瓜の紋)がついています。 写真を見ながら、当時の鬼師の心意気までも写し取るように、そっくりに作っていきます。 生型検査(粘土の状態での検査)なので、微調整をしながら、より確実に仕上げていきます。
もう一つは棟の南北に取り付けられる鳥衾(とりぶすま)の生型検査です。 瓦はその型で時代がわかるそうです。 反り具合や大きさなど、資料をもとに微調整を加えていきます。
(H18.9.22記) |
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文化財の瓦を作れる業者は数える程しかいない |
一部機械もを使う作業もありましたが、大半は手作業です |
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鬼瓦の生型 |
鳥衾の生型・微調整中 |
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検査の翌日は、唐招提寺金堂(国宝)の復原工事の視察をしました。 奈良県の文化財の方が丁寧にご案内してくれました。
ここは、鑑真和尚が759年に開かれたお寺です。 平成10年に世界遺産にも登録されています。
金堂は建立年代は不明ですが、唯一現存する奈良時代の建物です。 瓦などは1200年前のものが今もなお使われていました。 途中、何度も修復を行っていますが、古いもので使えるものはしっかりと残していっています。 ですから、瓦などは8世紀頃から現代まで、各時代の瓦をみることができます。
平成7年の阪神大震災で被害をうけ、補強工事に主眼をおいた事業をたちあげました。 最先端の構造計算をもとに基本方針を打ち出し、平成12年に着工しました。 現在は、解体、繕いが終わり、屋根面の組立てにとりかかっていました。 平成21年の完成予定のようです。
今回は貴重なものをたくさん見せていただきました。 素人は、説明がないとそのすごさが全くわかりません。 いろいろなお話を聞いてやっと分かった気になります。
善導寺でも、たくさんの人に現場を見ていただき、技術のすごさ、歴史の重み、そして何より、当時の人々の信仰心の深さなどを感じとってもらいたいと思います。
(H18.9.22記)
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修理前の唐招提寺 |
現在の工事風景
部材1本1本が巨大! |
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1200年間の瓦の歴史がわかる |
奈良時代の瓦に合わせた、葺き替え用の瓦
これも全部手作り・・・ |
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模型を前にして最先端技術の補強構造を紹介していただいた |
奈良っぽく。。。 |
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勅使門(団体参拝入口)の閉鎖について
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平成15年度から着工の「国指定重要文化財 善導寺 保存修理工事」の為、平成18年9月9日より勅使門がしばらくの間、閉鎖となります。 団体参拝等でお越しの際は、本堂よりお上がり下さい。完成は平成24年頃の予定です。 尚、旧庫裏(書院・来迎殿等)は、平成19年1月頃には工事区域となります。
(H18.9.5記)
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工事見取り図はこちら
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● 専称寺解体開始 ・ 樹木移植 ・ 大庫裏 垂木取付 |
大雨の続いた梅雨も終わり、7月もあっという間に過ぎました。毎日、猛暑が続いています。
134年前に善導寺より移築された建物の残る、金島の専称寺の解体作業がはじまりました。 8月に入ってまず専称寺庫裏の引越し作業で、本堂裏に用意されたプレハブに仏具などを移動しました。 専称寺にはすでに設計管理者と大工さんが常駐しています。 解体された部材は、善導寺の保管倉庫に運ばれます。
善導寺では第二期工事の足場の設置のため、書院や広間周辺の樹木が移植されました。
一方、組立て中の大庫裏では、破風や垂木を取り付けています。 古い部材と古色に塗られた新しい部材が入り混じっています。
(H18.8.8記)
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専称寺 |
引越し作業・善導寺職員もお手伝い |
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解体の準備にとりかかっている内部 |
プレハブ倉庫と作業員詰所 |
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善導寺 裏庭 |
足場にかかる部分の樹木の移植 |
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勅使玄関前・立派なソテツも移植 |
本堂東側・カリンの木も移植 |
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中庭の池の周りもスッキリ |
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大庫裏・垂木の取り付け |
当初の垂木 |
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大きな釘 |