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国指定重要文化財 善導寺 大庫裏他六棟 保存修理工事



H18.11-12




●大庫裏ほか

【善導寺機関紙「聖光」1月号『修築報告』より】

 保存修理工事が始まって早三年が経ちました。特に昨年は大きく様変わりした年でもありました。

 まず大庫裏では、昨年八月号の紙面でもご報告した「上棟式」のあと、屋根面の作業にとりかかりました。野地板、杉皮を葺き、瓦がのせられていきました。瓦は文化財を扱う奈良県の業者が、平瓦、丸瓦、その他特殊な型の瓦を素晴らしい技術で見事に葺いてくれました。途中、奈良まで足を運んで製作現場を見せていただきました。約二万枚ある瓦を、一枚一枚手作業で作ってくれていました。十二月には、棟の部分の作業に入り、鬼瓦も撮り付けられて完成しました。
 
屋根面の完成を待って、二年半もの間、風雨から大庫裏を守ってくれた素屋根も解体されました。 
 同時に、壁工事にも着手しました。竹を格子状にワラで編んで、竹小舞を作り、荒壁塗り、中塗りと工程が進んでいます。大庫裏は本年春には二五〇年前の姿に甦り、完成を迎えます。
 一方、本年より善導寺建物群の中心部分である書院、広間、役寮などの解体にとりかかりますが、その準備として、本堂、新庫裏、大楠会館を結ぶ仮廊下の設置が始まりました。廊下設置部分にかかる植木などの移植をして、整地をし、十一月に開通しました。
 また、百三十四年前(明治五年)に善導寺より移築された北野町専称寺の建物も、八月に解体が始まり、十月に完了しました。当初の部材も思った以上に残っているという嬉しい結果もあり、完成すれば誰も見たことのない世界が甦るということで、非常に楽しみでもあります。
 修理工事の取材をしながら、職人達との会話の中で、文化財に対するそれぞれの熱い思いを聞くことができます。思いがあるから、素晴らしい技術が生まれてくる。こういった職人達の力を借りて完成されていく建物も幸せであろうと感じます。善導寺にご参詣の際は、是非工事の状況もご覧になっていただきたいと思います。
 
【以上「聖光」より】



11月12月と取材を少しサボっていたら、みるみるうちにいろんな部分が変わっていきました。
一気にご報告します。

(H18.12.20記)



    
仮玄関 等  仮設通路が伸びました 仮設通路などはこうなります(クリック)
本堂と書院をつなぐ渡り廊下 : 解体され、地下工法調査がされています
書院 : 二十五菩薩像がご遷座され、襖や建具を入れ、工事前の写真を撮っています

役寮(内仏)も空っぽに
大庫裏: 棟部分の組立て
瓦も葺かれます 側面は銅板
北側の鬼瓦 南側の鬼瓦
善導寺の紋である「花瓜紋」の鬼瓦の上に
「にょっ!」と出ているのは鳥衾(とりぶすま)
壁工事 : 中塗り、仕上げの漆喰塗りと進みます
三祖堂が・・・ 老朽化で自然に屋根陥没・・・ (11月1日・発見)

大楠会館南側に階段室を作っています
専称寺では解体完了に伴い、次の工程である庫裏建築に向けて、「地鎮式」が執り行われました。(11月11日)


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