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●10回目の公開事業 来場者1500名 過去最高に!
10月30日(土)、31日(日)の2日間、文化財保存修理特別公開と第四回鎮西セミナーが開催されました。
文化庁から委託された善導寺文化財特別公開実行委員会(委員長・能登原賢史善導寺執事長)が主催となり、境内、堂内、復原工事中の建物など全てを使って、大規模な公開展示、解説、講演会、コンサートなど様々な催しが行われました。
当寺は平成15年から25年までの10年間をかけて250年前(江戸時代中期)の建物、大庫裏他六棟の保存修理工事をしています。 現在8年目。 今回は、竣工した大庫裏・釜屋・広間、工事中の書院・役寮などに見学通路を設けて公開しました。 大工実演・体験として前挽き鋸、カンナがけ、柱の繕い、茅葺屋根模型展示と解説、甕棺などの発掘出土品の展示・解説、水琴窟の模型展示と解説、音出し実演、壁塗り実演、彩色の解説、工事を様子を記録したビデオ上映やパネルでの解説。 そのほか、本堂の特設ステージでは、文化庁長尾充調査官による文化財について、また、神戸市の竹中大工道具館より渡邊晶先生による大工道具の歴史についての講演会、更に、当山は箏曲発祥の地というご縁より25絃箏を奏でる女性二人組 「心花(ここはな)」 の演奏会も行われました。
更に、同時開催された善導寺鎮西研究所による「鎮西セミナー」では、お昼のけんちん汁・おにぎり300セットの無料接待、宝物特別展示などのコーナーが設けられました。
当寺の文化財公開イベントは今回で10回目。 今回のような大規模な特別公開は平成19年11月に続いて2回目となりました。 来場された約1500名の見学者からは、「文化財を守る熱意と素晴しい技術を見て聞いて体験できました」、「善導寺の素晴しい佇まいと歴史、そして宝物の有難さに心が洗われました」、「日本の文化を大切にしようと思います」などたくさんの言葉をいただきました。
ご来場者の皆様、公開を支えていただいた文化庁をはじめ、約80名のスタッフの皆様に感謝申し上げます。
平成25年の修理完成まであと2年。 江戸時代の建物がそのまま蘇ります。今 後ともご理解、ご協力をよろしくお願い致します。 (H22.11.11記)
▼特別公開・チラシ ◆特別公開・詳細内容・スケジュール
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表玄関の龍の彫刻をモチーフとした
公開ポスター |
前日、文建協の「助っ人隊」が
解説員としての研修を受けた |
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当日10:00 開会式
台風接近が心配されたが
見事に逸れ、2日間晴天に。 |
司会と場内アナウンスの太田さん |
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外会場
(大工や瓦のコーナー) |
前挽き鋸を使った製材実演 |
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目立て |
展示、実演に使われた大工道具 |
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善導寺保育園の子ども達も見学に |
打ち割り製材 |
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製材実演 |
文化庁長尾調査官や渡邊先生を囲んで |
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瓦作り実演 |
鬼瓦 |
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瓦屋部隊! 奈良から! |
粘土遊び、楽しい! |
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解説パネル展示 (大庫裏)
この他、各所に解説パネルが設置された |
大庫裏で、8年分の工事記録ビデオの上映 |
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善導寺に使われる壁の模型を展示 |
茅や縄の太さまで全て3分の1の
スケールで作られた茅葺屋根模型 |
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御前様も熱心に話を聞く |
茅葺き道具の解説 |
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将来は天井が張られるため、茅葺屋根の
裏側を見ることができるのは今回の公開のみ |
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発掘出土品の展示と解説コーナー |
弥生時代の甕棺(かめかん)も展示された |
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茶碗や昔のお金などを展示 |
金貨 「二朱金」
とても小さいので虫眼鏡で… |
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大工実演体験 |
カンナがけの体験は毎回人気がある |
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柱の繕いの実演コーナー |
この日のために安全通路を設置
終わったらすぐ撤去されました… |
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建物の部屋割り模型を
使って工事全体を解説 |
書院仏間の天井板の展示 |
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書院の説明看板を使って解説 |
茅葺仕様にリニューアルした「玉ホーム」も
こっそり公開現場に登場しました。
案外人気がありました…。 |
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水琴窟コーナー |
透明な水瓶を使った模型を製作 |
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解説と音出し実演を行った |
水琴窟の音色に魅かれた方が多かった |
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壁コーナー |
道具の展示と解説 |
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左官部隊! |
漆・彩色コーナー |
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京都から職人さんが来てくれました |
表玄関の朱漆塗りの工程見本 |
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表玄関の龍の彫刻と極彩色が目を引いた |
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鎮西研究所主催の「鎮西セミナー」が同時開催され、
本堂で巨大な「観経曼荼羅図」(極楽浄土の世界を描いたもの)が
特別展示され、和尚による解説も行われた。 手を合わせる姿が見られた。 |
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鎮西研究所による宝物館の特別公開
普段見ることができない三祖堂の三上人の尊像を間近で拝むことができました |
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釜屋の大カマドの炊き出し実演 |
けんちん汁を300名分作った |
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両日正午に300名にけんちん汁とおにぎりを無料接待 |
裏方は大忙し! |
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30日正午には「揚琴の世界」と題して、中国人演奏家「超勇」氏のコンサートが開かれた |
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本堂での講演会
文化庁 長尾充調査官
「文化財修復の過去・現在・未来」 |
別府大学大学院客員教授 八尋和泉先生
「善導寺の宝物について」 |
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竹中大工道具館 主席研究員 渡邊晶先生
「木の建築をつくる技術と、道具の歴史」 |
善導寺の大鋸を調べる |
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境内ではお土産屋さんも出店 |
スタッフ仲良くお弁当 |
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お子様が退屈しないようにと
「粘土細工コーナー」を設けました。 |
本物そっくりですがこれは全て紙粘土です。 |
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勝手に作った公開のイメージキャラクター
「楠ニャン」も立体的に仕上がりました! |
コアラのマーチと亀口おこし
※食べられません… |
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「くすニャン」 と 妹の 「くすみー」
善導寺のシンボルである3本の「大楠」と現場監督の猫「玉」をモチーフに製作。
お寺なので袈裟をかけ、雪駄を履き、袈裟には「玉」のデザインが隠れてます…。 |
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大工さん達も心意気を文字にしてくれました!
「努力の種をまかんと 夢の花 左官ばい!」(左官) |
「過去を未来に繋げる
それが 僕の役割」(大工) |
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公開の最後を飾るのは、25絃箏ユニット「心花のお二人」。
箏曲発祥の地である善導寺。 筑紫箏始祖「賢順」を偲んで奉納演奏。
二人から繊細でポップで力強い綺麗な音色が、境内一円に響き渡りました。
満堂の中、1時間の演奏を聴かせてくれました。 |
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ななえさん |
みぎわさん |
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CD販売やサイン会も行われました |
花束を渡した「ちびっこスタッフ」 |
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出店されていた「楠家」さんで作られた
「筑紫箏」というお菓子 |
箏のデザインのモナカです |
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善導寺には、箏を弾く菩薩像があります |
このような大規模な公開は最後となりました。
平成25年の完成まで、まだまだ頑張ります。
今回約80名のスタッフの皆様、お疲れさまでした。 |