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                      国指定重要文化財 善導寺 大庫裏他六棟 保存修理工事



H25.1-2

最 終 回


●重要文化財 大庫裏他六棟 保存修理工事 完成 (H24年12月)


 今では「260年前、江戸時代中期に建てられた善導寺の庫裏」と紹介している善導寺の建物。  しかし、10年前は 「250年前に建てられた善導寺の庫裏を、これから修復工事します!」と紹介していました。 

 はるか10年先のことなど誰にも想像つかないまま始まった平成15年10月の第一声。 まず、お寺の荷物の片づけを済ませて、それからコツコツと解体作業や発掘作業がはじまりました。 
 釜屋の巨大カマド跡の発見、本堂縁板を製材した大鋸(おが)の発見と製材実演、大庫裏下の井戸やカマド跡の発掘、明治5年、北野町専称寺に移築された役寮東半部を150年ぶりに里帰りさせたこと、日本最古級とされる江戸時代の「水琴窟」の発見、約2000年前(弥生時代)の甕棺(かめかん)の発掘、九州最大級の茅葺屋根の復原、防火設備の点検訓練、番外編では現場監督さながらに工事現場をウロウロするノラ猫の「玉監督」などが次々と話題になり、ニュースや新聞にも報道され、毎年1〜2回、檀信徒や市民への一般公開・説明会・講演会を開催しました。 途中2回の大規模な上棟式、文化庁主催の大規模な見学会も開かれ、多くの方々が工事中の様子を見学したり、職人の実演の見学や作業体験をされました。 

 すでに大工職人も管理設計の方々もいなくなり、これからは善導寺と檀信徒、そして地域の方々と協力して、これだけ大きく貴重な文化財を守っていかなければなりません。 文化財の修復をきっかけに、なるべくたくさんの方々にお寺に足をお運びいただき、文化財に触れ、歴史に触れ、お念仏の教えに触れて、心豊かな生活をしていただける手助けとなればと思っております。
(H25.2.24)

広間・書院・大庫裏 表玄関 (勅使玄関)
書院北側の庭 茅葺屋根の書院
庭には発見された水琴窟も整備 庭園も綺麗に
庫裏の甍 役寮東半部・内部
小書院・内部 里帰り移築された上段の間
書院仏間 内仏として復元された
航空写真 (赤枠が善導寺の敷地) 建物が全て竣工した


文化財建物は完成しましたが、善導寺独自で行っている境内整備は目下進行中。 境内大楠そばの「休憩所」は、平成25年4月の大法要に向けて、現代の使い勝手を考えて建て替えを行っています。

これまでの休憩所 いったん更地にして基礎から作りなおします
大楠や文化財建物がよりよく見えるようにデザインします


■ 落 慶 法 要 ■

平成25年2月23日(土)



 文化財建物の保存修理完成を祝って、工事関係者および檀信徒とともに落慶法要を開催しました。

 午前10:30、文化庁、福岡県、久留米市をはじめ、寺院方、檀信徒総代、設計管理事務所、そして既に全国各地の現場で作業している職人さんや工事関係者約100名が参列し、阿川台下御導師のもと、落慶法要が勤まりました。 法要後は、大楠会館にて祝賀会があり、各来賓のご挨拶がありました。

 午後2:00からは、檀信徒対象の落慶法要と、文化財建物の完成披露・見学説明会を開催。 篤志者への感謝状授与式のあと、設計管理者より講演と現地説明があり、檀信徒のみなさんは、善導寺の歴史の深さや建物の素晴らしさを大変喜んでくれていました。

工事関係者100名と落慶法要
大楠会館で祝賀会 午後からの法要
ご法主も檀信徒へ感謝のご挨拶 篤志者へ感謝状をお渡し
場所を変えて大楠会館での講演 資料を手に熱心に聞く
今後、一般の方々が入れない部屋も出てきますので、
現地での説明会では部屋の隅々まで、時間を忘れて見学をしました。



ノラ猫 「玉監督」と「黒玉子」

監督業もおしまい。 これから何しよう…。
お坊さんにでもなろうかな……。



製作者より
10年間の工事期間、みなさまに職人さんの素晴らしさ、歴史の深さなど、数え上げればきりが無いほどの発見や出来事を、なるべく早く、余すことなく紹介しようと記事を書いて参りましたが、工事終了に伴い、このページ(55ページ目)で最終回を迎えることとなりました。 つたない文章、写真、お見苦しい点もあり、上手くお伝えしきれなかった部分も多々あったかと思いますが、時折「いつも報告見てるよ!」「楽しみにしているよ」との声に励まされながら書き綴ってまいりました。 ご支援本当にありがとうございました。 合掌
(H25.2.24)

             



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