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国指定重要文化財 善導寺 大庫裏他六棟 保存修理工事



H20.4−5


久留米市主催 重要文化財 保存修理 現場公開
 
 『釜屋完成と水琴窟 公開』
    

 大本山善導寺では現在、国指定重要文化財 大庫裏他六棟 保存修理工事を行っております。平成15年から平成25年までの10年間にわたる工事で、現在5年が経過致しました。 本堂、経蔵の部分修理完成に続き、大庫裏・釜屋の全解体修理が終わり、250年前(江戸時代中期)の姿に復原され、この度、久留米市主催の保存修理現場見学会を開催することになりました。

 公開日には、釜屋の内部に復原された「かまど」に火を入れ、実際に使用する予定です。 また、書院の発掘で出土した、「水琴窟(すいきんくつ)」の公開も致します。この水琴窟も、実際に水を流しその雅な音を聞いて頂けるよう予定をしております。
 この機会に是非、文化財の素晴らしさに触れて頂きたいと思います。皆様お誘い合わせの上ご来場下さい。




地中に埋めた甕(かめ)の中に落ちた水滴の音が
甕の中で響き増幅され、地上まで聞こえます。
綺麗な音色です。

  日 時 : 平成20年6月15日(日)
         10:00〜16:00
                      
※随時ご案内致します。
  場 所 : 大本山善導寺
                大庫裏・釜屋 ・ 書院付近
(水琴窟)

        公開のポスターはコチラ


●保存倉庫で地道な作業が続く…
    

 最近、保存修理現場では、建物を解体したり、組み立てたり、発掘したりと大きな動きはなく、保存倉庫にて、書院や広間、役寮などの解体された大量の柱の調査が行われております。 柱、1本1本のサイズや釘の痕跡、墨書、ほぞ穴などの確認をしながら現状図を作成し、同時に再使用できるか、どこまで補修するか、以前の補修などで転用されたものでないか、など歴史も考えながらの作業をします。
 そういった地道な作業の結果から、復原計画が立てられ、設計変更の理由や設計図が作られます。 この現状変更を文化庁に提出し、議論され許可が出されたら、やっと発掘、組み立ての作業に取り掛かることができます。 
(H20.5.24記)

3月にセスナ機やバルーンを飛ばして、善導寺の航空写真を撮影しました 
セスナ機からの写真 :  善導寺全景(南東より)
 バルーンからの写真 :  広間、書院、役寮の礎石がみえる
撮影の様子はコチラから → (H20年3月の記事)  http://www.zendoji.jp/z-syuchiku-h2003-.html
保存倉庫での柱の調査
柱1本1本、図面におこす。ほぞ穴、傷など詳細に記入していく。
現状を残すことが文化財保存の第1歩
こちらは、釜屋の完成に伴い、カマドの守り神「荒神様」のお厨子の製作をしています
将来、文化財に指定されるのではないかというくらい、
組み方や細部の彫刻までが見事な厨子。
このあと漆で仕上げられる予定。
現状変更の作業風景 (文建協善導寺事務所)
文建協九州支部(福岡市)からの助っ人もたくさん来て作業にあたる。
復原の理由、大量の図面、写真などがそろえられ、資料としてまとまっていく。
この変更で、復原される善導寺のすべての姿が見えてくる。


●釜屋 復原完成
  広間・書院・役寮・対面所 基礎工法調査 【甕棺と水琴窟が出土】
    

 善導寺の開山忌(3月27日〜2日)にあわせて境内の桜が開花。 今年も見事に法要や御輿行列、稚児行列に華を添えてくれました。

 工事の方は、年度末になり作業が大詰め。 ちょうど1年前に完成した大庫裏の北側に、今年は「釜屋」が完成しました。

 書院周辺の基礎工法調査では、「甕棺(かめかん)が出土。 甕棺は、全国的にも九州北部あたりにしか出土しないということです。 弥生式土器、つまり弥生時代、すなわち約2000年前のものであろうということです。 善導寺が開かれたのは、鎌倉時代で約800年前。 それより更に1200年も前のものだそうです! 教科書でしか見たことのない日本の歴史がいっぱい詰まっている善導寺です!
 更には、書院北縁の下くらいのところで 「水琴窟(すいきんくつ) が出土。 定かではありませんが、江戸時代頃のものでしょうとのこと。 近々、調査団が東京から来られるようです。 工事関係者と水を流し音を聞いてみたところ、かすかではありますが、あの独特の響きを耳にすることができました。 
(H20.4.10記)


書院周辺を基礎工法調査 高さ1mくらいの甕を2つ合わせた棺
これが甕棺
こちらは水琴窟が現れました。 中心に水が流れ込むように綺麗に石が敷かれていて、この下に甕が埋まっています。 右の写真は、チョロチョロと水を流しながら、みんなで響きを聞いている所です。


水琴窟
日本庭園の技法の一つ。
洞窟内に水滴を落としたとき発生する反響音を庭園内で楽しむもの。 一般に手水(ちようず)鉢の下の地中に甕(かめ)などを埋め込み、手水後の排水に音を生ませる形をとる。
江戸時代の庭師の考案によるものとされる。
発掘部隊をはじめ、みんなで記念撮影


大庫裏南側の塀も着々と 完成に向かっております


 釜屋は、今回の第2次平成大修築事業、10年間の工事の最初の解体建物で、平成16年1月に解体が着工。 同5月には発掘調査で当初(250年前)の「かまど跡」が出土し、新聞やテレビニュースにも取り上げられ、久留米市による現場見学会も開催されました。
 解体、発掘が完了するとカマド跡も丁寧に埋め戻され、しばらくは、その他の建物の工事の為に、当初の部材などは保存倉庫へと移され、調査や補修作業、組立てを待ちました。
 約2年半の時が経ち、平成19年4月に発掘調査が再開。 カマドの石組みもいったん取り除かれ、基礎コンクリートが流し込まれ、その上に当初と同じようにカマドが復原されました。 同8月、上棟式を迎え、屋根工事、瓦工事、左官工事、防災工事と続き、内部ではカマドの上部も出来上がりました。 年末には実際にカマドに火を入れて、うどんやおそばをいただき、格別な美味しさだったことを思い出します。
 年が明け、カマドの最終仕上げと、建具の取り付け、電気工事が進み、3月末完成を迎えました。

釜屋の建具が入りました 3月末に完成 (北西面)
大庫裏との仮壁も外され、巨大空間が現れました
北東面の外観です

             

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